hikaruri.jp
[前へ] 記事一覧に戻る [次へ]

(31)そろそろ数学教育を真剣に研究すべきでは

政府による愚策、AI人材の件が研究者界隈で大炎上しています。日経新聞の記事によれば 年間で25万人のAIを使いこなせる人材を育成するためにAI教育カリキュラムを 整備した大学に多く運営交付金を付けるなどという、AI理解出来ないけどなんかすげえと物知った顔の輩が考え出したようなロクでもない方針を政府は決めたようです。愚策すぎるのが明らかなので批判を長々と書く必要もないです。

この愚策への批判の声の中で「基礎である線形代数をしっかり学べばあらゆる技術革新に対応できる」という声がありました。機械学習の理論は行列の計算が理解できれば対応が可能な程度の数学的に容易な理論ですし、そのほかの理工学系の学問分野に対して強力な武器となるのは間違いありません。全ての理工系学科で一年生に線形代数の授業がある現状でAI時代に対応出来ているということを政府は認識すべきでしょう。高校数学に行列が復活すればなおのこと良しですが。

自分としてはさらに一歩踏み込んで、そもそもの小中高の数学教育カリキュラムをもっと効率的にする必要があると考えています。 全国民の数学的素養を引き上げることによって科学技術に対して理解を得てもらうことを真剣に目指してもいいのでは無いでしょうか? 数学はいわゆる落ちこぼれを作りやすい科目であることを鑑みると 指導法だけでなくカリキュラムも洗練されていくべきでしょう。今までより余裕を持ったカリキュラムで尚且つ数学的思考方法を教育するメソッドの開発を真剣に考えることによって国民の数学力を高めていくことが出来るはずです。

特に、小学校の算数教育学は原始時代で止まっており全くもって話にならないレベルです。あらゆる統計データや教育実践記録などが貯まっている現代では発達心理学的な見解を複合させて効率の良い教育方法が提案されて然るべきだと思っておりました。しかし、教育学部で使われる数学教育の教材はいまだにひと昔前の数学教育論、それは教育を目的としてるのではなく取ってつけたような 難しい言葉を使って理論っぽい理論を切り貼りしているだけの代物です。 そろそろ数学教育界で革命が起きるべきではないでしょうか? 掛算の順序を守らせなければいけないという意味不明な理論も平成の時代に置いていきましょう。

2019/04/20