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(55)学歴フィルターならぬ競プロフィルター

就活がだいたい終わりました。Twitterにぶっ飛んだ条件を公開した際、たくさんの求人をご紹介頂き誠にありがとうございました。最終的に条件を満たしながらも適性に合いそうな仕事に就けそうなので本当に幸運でした。博士人材の市場価値を上げていけるように様々なプロジェクトにコミットしていきたいと思います。今後、現在の年収をaboutページに公開して、積極的に転職を目指すムーブをしようと企んでいます。

さて、非情報系専攻からIT系を目指す方々には「コーディングテスト対策は早めにやっておくこと」すなわち、 競プロに早めに取り組むことを強くオススメします。というかやらないと全く通りません、門前払いです。ほとんどのIT企業が面接前にコーディングテストを課すようになっており、今後そのような企業は増えていくことが予想されます。2019年8月に初参加した大手競プロサイト:Atcoderの初心者向けコンテスト(通称ABC)の参加人数は5000人前後でしたが、2020年7月現在、ABC参加人数は10000人前後まで増えています。「プログラミングをちょっとやってる=競プロで求められるアルゴリズムの基本知識くらいはある」というレベルが企業に要求される時代が到来しています。

企業のコーディングテストが求める”競プロ力”のレベルは平均より高いと感じます。Atcoderの社長、俺たちのchokudaiはatcoderレーティングのレベルについてまとめたブログを書いていますが、この記事における緑-水色レベルのアルゴリズムが要求されます。僕は最近緑色になったばかりですが、多くの企業のコーディングテストで落とされました。唯一受かった企業のコーディングテストも5時間超えのテストで2時間くらい何も手がつかない時間がありました、競プロをやっていなかったらこれすらも落ちていたと思うと去年のうちに始めておいて運が良かったです。

このサイトの作成を協力して頂いたゲームクリエイター、tdhr氏のブログでは、「競プロが出来る=プログラミングが出来る」という風潮に警鐘を鳴らしてます。このような風潮によって「プログラミング自体が得意でも競プロ力がないためにコーディングテストに落ちる」という悲劇が起こることを暗示しているかのようにも読めます。自分も就活中に自らの専門(シミュレーション)にマッチした企業があり、中の人の紹介もあって受けたのですがコーディングテスト落ちするという悲劇に遭いました。その際、中の人から「君が通らないならもう問題がおかしい」と激励を受け、「本当に技術力がある人を取る気があるのか」と競プロ力偏重の採用方針に対する警鐘を呟いていました、このようなお言葉を頂けて光栄です(ちゃんと研究しろ自分)。もちろん、もっと競プロの練習に時間を割いていれば良い訳なのですが、博士課程は研究が本分なのであまりリソースを割けないという事情もあります。マジでIT系狙う人は今すぐ始めて下さい、今すぐです。

競プロ力でフィルターするというのは学歴でフィルターするものと自分は捉えています。学歴フィルターは「本当に優秀な人を逃すかもしれない」という点で批判されていますが、一部大企業からは「高学歴には優秀な人材がいる可能性が高い」という点で積極的に利用されているという噂です。多くの応募を捌かなければいけない組織にとってはスクリーニングの指針はある方が合理的だという意見は納得出来る部分は多いです。競プロ力も同じようにIT分野で優秀な人材が含まれる可能性が高いと見做されるのだと解釈しています。実際、私の周りの競プロ力が高い方々は研究能力が高い印象があります。しかし、このフィルターに大きな価値があるかのように錯覚し、全ての採用活動がフィルターに汚染されていく現象に対して歓迎の風潮しかない現状に危機感を抱きます。

ただ、就活生としてはこの状況に対応していく他ないでしょう。もやウィン先生も「唯一生き残ることが出来るのは変化出来る者である、安倍政権万歳」と言ってます、変化に対応しましょう。早いうちからAtcoderで研鑽を重ねてコーディングテストに通るようにすることを目指すしかありません、マジでIT系狙う人は今すぐ始めて下さい。Atcoder万歳。

2020/07/16